次の目的地は景洪にある昌泰の工場。
旅行記には書き忘れてたが、ごはんを食べて盛り上がったときに史明海さんが工場見学の予定を取り付けてくれた。史明海さんは新センのマネージャーである劉鵬さんの兄貴分、工場長である陳徳才さんは史明海さんの親族だそうだ。
昌泰の工場は雲南省南部の街、景洪市の大渡崗にある。大渡崗までは昆明からバスで12時間ほどかかるので、行き方は夜行バスとなる。昆明市内にあるバスステーションにてチケットを買う。344元なり。出発までまだ時間があるので腹ごしらえに行く。
中国の夜行バスは、大型バスの中に一列に5人程度で三列にベットが並んでいる。なかなかに快適であるが、問題がある。それはもし足の臭い人の足が頭の上に来ると何とも堪え難い香に包まれる。そして、運良く足の臭い人から距離を置いたとしても、ものすごく足の臭い人がいると、社内全体にただ事ならぬ空気が漂う。今回は運良く、とても足の臭い人は社内に折らず、わたしの上にも足の臭い人もいないようなので、それなりに快適な旅が遅れそうだ。しかし、友人の方に目をやると、は何やら不穏な空気を感じ取っているようだ。
個々の事情がどうであれ、それでも夕方の6時になると、バスは出発した。
昆明から景洪までは幹線道路が通じているので旅は快適だ。途中、何度かドライブインで停まりながらバスは景洪を目指す。こういうときは寝るに限る。
明け方の4時、運転手に起こされる。我々の目指す昌泰の工場がある大渡崗は景洪市の手前80kmほどのところに位置する。高速道路のインターの手前でバスからおる。すぐそこにいる友人のかおも見えないほどの暗闇の中を明かりのあるインターに向かって歩いていく。
インターのちょっと手前に煌々と明るい建物があるので向かう。どうやら高速警察の事務所兼宿舎らしい。ドアが開いているので中に入ってとりあえず時間をつぶすことにする。建物に入るなり友人はごろりと床に寝転び、「ああー」と声を出しながら背を伸ばす。どうやら彼にはあのベットは丈が足りず窮屈だったらしい。
とりあえずの居場所は確保したが、あたりは一面の闇、どうしたものであるか。